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Art Design Innovation

デザインとアートの違い

「デザインとアートの違い」

これは様々なところで議論になるテーマではあるが、デザイン側からの文脈、アート側からの文脈、それぞれの視点で語られるため、平行線を辿ってしまうことも多い。
しかしながら、そもそもこの議論自体、本来意味が無いはずである。なぜなら何かしらのプロセスを経て何かを生み出すという点で、本質的には違いが無いはずだからである。「はず」といったのは、本質的には同じであるが、現実社会においての役割が異なるために、これらは別のものとして認知されている。

社会において、というと話が大きくなるので、わかりやすいところでは、大学や専門学校などの教育機関は、現在、芸術系とデザイン系は学科が別れているのが普通である。また、企業活動において、アート業界以外の分野では「アート」が職能として登場することはないが、「デザイン」は一般的な職能として認知されている。こういった企業側の要請もあり、デザインは企業の事業活動に取り込まれ、アートとデザインの境界が明確になっていったのではないかと推察する。

「デザインとアートの違い」の議論は上記の通り本質的には意味は無いが、現代の社会における認識をふまえての議論はこのブログで比較する際に重要なので、ここで仮に定義する。
デザインは課題の解決であり、アートは問題の提起である。
これは、Rhode Island School of Design(RISD)の元学長(現在は WordPress.comを運営するAutomattic社)のジョン・マエダ氏の発言が基になっている。
https://twitter.com/johnmaeda/status/2057122807

Design is a solution to a problem. Art is a question to a problem.

この定義は、肌感覚としては、日本でもここ2,3年の間、デザイン・アートの両面に何らかの形で関わる人達の間で一定の支持を得ているように思われる。
このブログでは、今後、特に断りがない場合は基本的には上記に準じて使用します。

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