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Art Copenhagen

Aros – オーフス美術館

Aarhus (オーフス) の美術館 Aros

オーフスへ小旅行。コペンハーゲンからバスで四時間ぐらいの距離で、なかなかの遠出である。

オーフスはデンマーク第2の都市で、人口26万人程度。日本でいうところの函館市ぐらいの大きさである。駅前が少し栄えている程度でそんなにガヤガヤしておらず、物価もコペンハーゲンに比べるとやや結構安い印象。

今回の目的はただ1点。オーフスの美術館 Aros への訪問である。
地方の美術館ではあるが、人口比で考えると不相応なほどに大きく、また近現代の美術にフォーカスしているため老若男女、かなり楽しめる。

象徴的に存在しているのは、デンマーク出身のオラファー・エリアソンの作品 “Your Rainbow Panorama”, これが美術館の屋上にパーマネントに存在している。訪問日は生憎の雨でしたが、晴れた日はきっと最高なのだろうなと。

美術館の展示は多様性に富んでおり、デンマーク地元の作家も多く、また、インスタレーション作品もかなりの数存在している。特に印象的だったのは、地下にインスタレーション専門のエリアがあり、ジェームズ・タレルやオラファー・エリアソン、ビル・ヴィオラなど、いわゆる巨匠が多いのだが、これらの作品がほぼ全てカールスバーグ財団の資金によって提供されているのである。デンマークではカールスバーグ財団が最大のアート支援団体であるらしいことは聞いていたが、ここまでとは。かなり贅沢な状況でピピロッティリストの作品をじっくり堪能できたのが一番良かった。

Jacob Kirkegaard – alt & intet

今回の目的は、これではなく、ヤコブ・キルケゴールの過去作の個展。おそらく過去最大規模かと思われる。
様々なアプローチで人が意識しない音についてプレゼンテーションする作品が並ぶ。日本では知ることのなかった過去のアプローチなども堪能できる充実した展示だったのだが、ここで感じたことは、サウンドアーティストが行うことのできる音の(物理的な)アプローチはかなり制約があるように感じられ、そのせいで作品の独自性を担保するためにコンセプチャルな作品が多くなってしまうという点である。

とはいえ、ヤコブの作品はそのバランスが良く、展示していたものの中では、フィヨルドの氷が溶ける音を14chのマルチチャンネルで収録再現した作品が最高にシズル感があり非常に良かった。

距離が遠いのでなかなか再訪は難しいだろうが、デンマーク内ではルイジアナ美術館に並んで非常に良い美術館だと思うので、機会があればまた行きたい。

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